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2016年8月26日金曜日

8月研さん活動レポート「更生保護について学ぼう」

みなさんこんにちは。墨田区BBS会事務局です。


こんにちは。新規会員のふーちゃんです。
先日の8月6日(土)、ステップ押上において、「更生保護について学ぼう」をテーマに、4名の講師の方々をお招きして研さん活動を実施しましたのでお伝えします。





<講演>

今回は東京保護観察所保護観察官 出野様、墨田区保護司会副会長 菊池様、墨田区更生保護女性会副会長 高橋様、ステップ押上施設長加持様にご出席していただきました。


講演では主に仕事内容・各機関の現状・今後の展望・BBS会との関わりの4点についてお話ししていただきました。

更生保護が担う業務の中心は保護観察であり、保護観察の対象者と直接関わることが多い、保護観察官や保護司は「接触の確保」を重要視していました。

各機関が抱えている問題としては、人材不足が挙がっています。保護司や定年制のない更生保護女性会では会員の高齢化が進み、次世代へ活動を繋げていかなければなりません。

また、ステップ押上などの更生保護施設では地域住民との連携が不可欠であり、社会全体が更生保護についての理解を深めなければならない、と実感しました。

講演を通じて、非行のある少年たちにとって友達のような存在であることが、BBS会に求められている役割だと分かりました。


<ディスカッション>

講演後は、講師の方々も交えて2つのグループに分かれ、ディスカッションを行いました。どちらのグループでも活発な議論が繰り広げられていました。



私たちのグループでは、非行少年は実際どういう子なのだろうか、成人の保護観察対象者とはどのようなグループ活動を行えばいいのだろうか、といった点について話し合いました。

「非行少年とは施設見学やこれからのグループ活動を通じて関わることができ、成人の保護観察対象者とは何らかの目的があるグループ活動を行うのが良いのでないか」、という意見が出ました。

他のグループは、活動に対してやりたいという気持ちや積極性が必要だと、述べていました。



<まとめ>

大妻女子大学の学生をはじめ新会員にとっては、更生保護制度の仕組みや基礎知識、自分たちの活動がその枠組みの中でどういう役割を果たしているのか、など様々なことについて学ぶことが出来ました。

また、他の会員も更生保護に対する理解がより深まったと思います。

今回の講演で得たことをこれからのBBSの活動に生かしていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

2016年8月24日水曜日

映画「太陽のめざめ」

こんにちは。墨田区BBS会事務局です。

夕暮れには虫の音も聞こえ秋の到来を予感しながらも残暑厳しい今日このごろ。皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。ゲリラ豪雨による体の冷えなど体調にはご注意ください。

さて、今回のブログ内容。いつもとちょっと違います。

へ?映画配給会社?

事務方の庶務であるメール処理をいつものように粛々とこなしていると、見慣れないアドレスからメールが。

タイトル 映画『太陽のめざめ』試写のご案内

う〜ん、あやしい。。。

当会の連絡先メールアドレスには商材の勧誘や、簡単高額アルバイト!といったスパムメールをちょこちょこ受信します。

タイトルだけ見ればその手の類かなぁと思いながら本文を開くと、内容はマシンコピペではないし、本当の試写会の誘いの文面。電話番号も書いてあるし、ひとまず電話だけでもしてみるかと連絡してみました。

“非行少年の更生をテーマに扱った作品なのでご案内させていただきました。実際に非行に走った経験がある子供に関わった経験がある方ならば、この作品を好きになってくれるんじゃないか。また観た後はどういう感想を持たれるのか興味があったからです。

大学の先生や保護司団体、養護施設など子ども保護関係の団体、規模は問わず関東圏にある非行に走った子どもとかかわる組織を探していたところ、BBS会様にフィットするのでは?とご紹介させていただきました。“

なんと本当に映画配給会社さんじゃないか。。。

内容的にも面白そうだし、会員何人かで観に行ってみることにしました。単館系のインディーズ映画かなと調べてみたら、カトリーヌ・ドヌーヴ出演!?フランス映画やないか!!

作品概要

家庭裁判所の判事フローランスは、母親に置き去りにされた子供マロニーを児童自立支援施設へ保護措置とする。

10年後、子供から少年へと成長したマロニーと再会するが、マロニーは心に傷を抱え荒れた生活を送っていた。

フローランスは、似た境遇だったヤンを教育係に、彼が人生をみつけられるように優しく手を差し伸べる。

そして田舎の更生施設でマロニーは同年代の少女テスと恋に落ちるが、数々の試練が待ち受けていた。

マロニーを救うために、判事が選んだ道とは―。

親の愛を知らず、心に傷を負った少年マロニーが、心砕くひとりの判事と出会うことで運命が変わってゆく姿を描いた作品。

 

会員の感想 その1

不良少年の更生にフォーカスするという、ドキュメンタリーのようで、印象深い映画だった。

主人公はマロニーという少年。彼が更生施設や刑務所等の環境下で経験をするもの、感情が手に取るように伝わってきた。

現在、日本では少年法の厳罰化の本格的な議論が始められようとしている。そんな中、この映画は、刑務所に少年を入れることが更生に繋がるのか、という主張をしていたように思え、非常にタイムリーな気がした。その意味でも見る価値のある一本だ、と個人的には思った。

この映画でも現実においても、非行少年に支援をし続けても複雑な背景のある少年は反発することはしばしばある。しかしこの映画を通じて感じたのは、そのような少年らも、支援に携わる人たちとの絆や人生経験の中で、人と生きていくことをきっと学ぶ、ということ。支援をし続ける重要性を痛感した。

ただ、このような少年に被害を受けた人たちの主張も大切で、被害者の気持ちを踏まえた支援の在り方を考えないといけないな、と頭を働かせている。

コーヒーが減ってきたのでおかわりして、どこか世界で面白い取組みがないか探そうと思います。では。

 

会員の感想 その2

リュミエール兄弟、ジョルジュメリエスに代表される、映画発祥の地のひとつフランス。そのフランスから発信された映画、「太陽のめざめ」を観た。

非行少年が更生していくストーリー、とのことだけど少年から大人への成長物語と感じた。

フランスと日本。国は違えど非行少年の更生保護について、どのような人々が接し支援するのか。その過程が非常に解り易く描かれていた。

家裁の判事、検察、弁護士、警察、保護司、教育係(BBS/セカンドチャンス) 、協力雇用主と、更生保護に携わる人々にとっては馴染みのある役柄が真摯に向き合う。

ネタバレしない程度にグッと来たポイントは「愛(aimer)」

どんなに優れた支援制度や施設があっても、個を根本から変化させる原動力は愛だと感じた。

印象的な愛が3つ。少年に好意を寄せる少女からの Je t'aime(愛してる)、少年が大切な物を守った時に答えた Je t'aime(愛してる)、少年から大人へ放たれた優しい aimer(好きだよ)。

また主人公のマロニーの心境の変化が手に表れているようにも感じ、言葉や脚本ではない細微な演技が良かった。

昔は不良だったけど、はい更生しました!良かったね!シャンシャン、な作りではなく最後の最後まで救いが見えず、リアルな世界というか、現実主義、リアリズムに迫っている。

見るからに不良な外貌と粗暴な主人公マロニーだけど、弟や母親には優しく家族思い。

子供なんでちょっとしたことで感情が爆発したり暴れたりするのは、程度の大小ってだけで、誰しも子供の時はあんなもんじゃないのかな。むしろ脆弱な心情が垣間見えた時に子供にこんな思いや経験させちゃダメだろ、、、とやるせない気持ちになった。

既に更生保護に携わっている方は無論、非行少年更生保護に興味のある方にこそ観てもらいたい。

ディーパンの闘いに続いて今年はフランス映画当たり年かも。

 

上映劇場

8月9日から都内はシネスイッチ銀座で上映中。シネスイッチってことで規模は大きくない。サクッと上映終了しちゃう可能性高いので、興味有る方は早めに足を運んで観てね。

 

トレイラー

 

オフィシャルサイト

太陽のめざめ オフィシャルサイト

 

最後に

なぜ墨田区BBS会のブログで映画告知したのか。理由は「太陽のめざめ」という映画作品がBBS活動の告知に一役買うのでは?と思ったからです。

「太陽のめざめ」という映画作品がどのようにBBS活動の告知に一役買うか、1. 主たるテーマが非行少年の更生である、2. もうひとりの主人公が家裁の判事である、3. 更生の流れが作品の骨子である。児相、家裁、更生施設、教育係、等々。

少年更生保護について、回りくどい説明をぺちゃくちゃ喋るより、こうやって映画になっていると直球でガツーンと感じてもらえるかなと。そう思いました。