墨田区BBS会事務局です。
セミも鳴き始めて、すっかり夏ですね。
今月末の隅田川の花火大会が楽しみです。
6月の研さん活動について担当のトニーさんから報告が届いていますので、さっそくお伝えします。
今回の研さん活動は、NPO法人セカンドチャンス!の方を講師にお迎えして、ご講演と意見交換の2部構成で行いました。
今回のテーマは、
少しでも非行少年と呼ばれる少年たちの気持ちや立場について偏見や思い込みを捨てて向き合っていくことの必要性や重要性を考えてみることにしました。
<第1部・講演> 講師の方から主に2つのことについてお話を伺いました。
1つ目は、非行に走った契機や立ち直ったきっかけといった激動の10代について。
- どのような中学校、高校生活を送っていたのか?
- なぜ少年院という特殊な環境に送られることになったのか?
- 卒院後にどのようにして社会の一員として更生することが出来たのか? などなど…多くの方にとって普段、生活をしていはまず伺うことが出来ない世界について赤裸々に語っていただきました。
講師の方の歯切れのよい説明から浮かび上がってくる臨場感が参加者にひしひしと伝わっていることが感じ取れました。
2つ目は、NPO法人セカンドチャンス!の設立経緯やその活動内容などについて。
率直に、BBSよりもより近い距離で少年たちと接していることについて、どこかでうらやましいと感じると共に、その存在の必要性について認識させられました。
それにも増して、驚いたのは講師の方の懐の深さです。最後まで爽やかな笑顔が印象的でした。
セカンドチャンス!の今後のますますのご発展に期待するだけでなく、当会も設立の経緯は違えど友好的な協力関係を築いていけるようにしたいです。
このような貴重な情報を得た後で…小休止を踏まえたかったところですが、予想以上に質疑応答が盛り上がり、休む間もなく次の部へ。
<第2部・意見交換>
何について意見を出し合ったのか、といえば
- 卒院者(少年院を出院した者)たちについてどのようなイメージを抱いているのか?
- 卒院者が社会に出たときに困ることは何だろう?
- 卒院者に対して、家族、友人、ひいては地域住民はどのような支援をすることができるのか?
- 非行少年を生まないために、家族、友人、ひいては地域住民はどのような支援をすべきなのか? といったテーマについて。
抽象的なものから具体的なものへ。立ち直り支援のアイデアから非行防止の支援のアイデアへという流れで話し合いを行いました。
参加者から短時間で4つものお題について十分に考えることなんてできないといった意見もありました。
主催者としては、酷なことをしてしまったなと思いました。実際、会員からも意見をまとめる時間が足りない、という悲鳴が…。
しかし、おそらく多くの方が日頃考えることがないであろうテーマについて、少々強引にでも考えてもらうことを狙いとしていましたので、参加者のみなさんがめげずに一生懸命あれやこれやと意見を出し合っている姿を見て、次につながるはずと感じたのも事実です。
気が付いてみれば、終了予定時刻に…。
私を含め、参加した会員から感想が寄せられていますので、掲載します。
参加者の記念写真は最後に掲載してあります。
<やっさん>
・今回の研修会で学んだこと グループセッションで色んな意識があるのだと学んだ。
自分の子供の周りに、非行少年がいると仮定した思考実験にて、自分の子供には 「あんなふうになっちゃダメよ」 「友達になっちゃダメよ」 「自分の子供は守らなきゃいけない」 「非行少年は自業自得よ」 と諭すという意見があった。
この意見を聞いて、 「我が子は守る」 「我が子以外はどうなってても知らない」 「自分と関係ない子供は見捨てても構わない」 という思いが隠れているように感じた。
核家族の存在ですら危うい個人主義が躍進した現在、地域社会の体が既に崩壊していると実感しているから上記意見は特に過激と思わない。
・気が付いたこと・感じたこと
更生するビジョンを思い描き、それを信じ、サポートし、実践を促すことで変化を待つというフローは、夢を叶えるフローに似ていると感じた。
他人に影響を与えようと奮闘しても、それはエゴであり、思いが通じない、思ったように動いてくれないと、不信に陥り、裏切られたと勝手に思ってしまう、という点は我が意を得たりであった。
自身の経験から諦観を体得された講師は仏教徒のように思えた。
<トニー>
・学んだこと 講師の方が非行に走った理由も立ち直った理由も、「自分の存在を肯定してくれる人や場所によるものが大きいこと」を学んだ。
もっとも、褒めているだけじゃダメなことも事実なので一筋縄にはいかない。彼らと打ち解けるためには、自然体で(これが一番難しい…)振る舞うこと。期待しないこと。でも、見放さないこと。心の中で自らが鬼になって、少年と”だるまさんが転んだ”をしている感じで接すればいいのかな。
・気が付いたこと・感じたこと とくに非行に走った少年が更生するきっかけには、「メンターとの出会い」と「明確な目標設定を立てること」の2つの柱が重要なのかも知れないと感じた。
人生の岐路を諭してくれる存在(メンター)と自分の意思で航路を設定できるだけの自信や経験・知識
こういった2つの柱が備わってはじめて、社会の一員としての旅路に出て行くことができるのではないだろうか。このことは、非行少年だけに限らないことだなと、ふと実感した。
<やまちゃん>
講演をお聞きして、中でも、少年に対していろいろな選択肢を示してあげるのが重要だ、という話が印象的でした。
世の中には様々な世界や遊び方があって、様々な生き方があって、様々な人がいる、ということを少年に対して教えてあげるのです。 少年たちの多くは、物事を十分に知らないままに、非行の道に走ってしまいます。そのような少年たちへ、非行の道も一つの道ではあるが、それ以外にもさまざまな選択肢があるのだということを教えてあげるのが更生保護に携わる人間として、また大人としての役割だと思いました。
それらを知ったうえで、最終的にどの道を選ぶかは少年が決めることではありますが、周囲は少しでも少年が生きやすい道を選べるように、サポートしてあげなければなりません。すんなりと道を選べる子はそういないでしょう。それでも懐深く、長い目で信じてあげたいです。
BBS会でもグループワークなどを通して、少年に新たな世界や価値観を示してあげられればと思います。
グループディスカッションでは、多くの方が保護司さんなど更生保護に携わる人たちでしたので、少年に対するネガティブな印象はありませんでした。 しかし、更生保護の枠を離れて一歩外に出てみたらきっと、非行少年に対する偏見で満ち溢れているのだと思います。
非行の問題は、単に治安だとか、秩序だとかの問題ではなく、社会全体の問題だと考えています。「子は社会の宝」ともいいますが、その「宝」を大事に育てていくために、非行少年に対する考え方や接し方を社会全体で考える必要があるのだと感じました。今回の研修会は一般の方にも告知していましたので、これからもこのような学びの機会を地域にアピールしていきたいと思います。
<よこぴー>
今回の研鑽活動に参加し改めて少年達への支援する事の難しさを知る事が出来ました。
講師の方からも貴重な話を聞けて、今後もBBSで活動する上で良い経験になりました。 ありがとうございました。
短時間の活動でも、それぞれの会員が思い至るところは様々ですね。
当初は、3部構成にして、さらに即興寸劇を行うといった考えもありましたが、準備不足で実現に至りませんでした。次こそは…。
私がBBS活動を行う上で思い描くのは、少年たちが困った時にちょっと立ち寄れる”とまり木”みたいな存在です。
今回の研さん活動で学んだことを8月のグループワークで生かせたらと思っています。
これからも地域社会の一員として、私たちはBBS活動を通じて「微力」な活動を続けていきたいと思います。
当会の活動に興味・関心をお持ちの方は、ぜひ一度見学にお越しください。 見学の申し込み・お問い合わせはこちらからお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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